どうも!コンビニで買い物した後お金を支払って商品を持ち帰るのを忘れることがある一発屋です!
('ω')ノ
さてさて昨日に引き続いてまたまた人力車バイトネタを書こうと思います。
思い出したら懐かしくなってしまいまして。(;^ω^)
人力車のバイトをしていると、年齢性別だけでなく幅広い個性の持ち主のお客さんに乗っていただけます。
今回の記事ではそんな一発屋が出会ったお客さんの中で特に個性的なお客さんをご紹介してみたいと思います!
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え?親御さんは?小学校低学年の女の子二人
まず最初からかなりのレアケースです。
ある時一発屋が声かけ営業に勤しんでいるとどこからか一発屋を呼ぶ声が、
「お兄さん、あの、人力車、乗りたいの。」
正直背が低すぎてはじめはどこから声をかけられているのかわからず、浅草雷門前の柳の幽霊かと思いました。(;・∀・)
そこでようやく視線を下にずらすと、かわいらしい女の子が二人、一発屋の衣装の袖を引っ張っているではありませんか。
人力車のバイトをしていてよくあるのが、まず子供が乗りたいと言っていて親がその希望をかなえてあげるパターンで、経験上成約率が高いパターンでした。
またこのパターンは比較的長めのコースが期待できるものでした。
これはキタな、と思った一発屋、
「お父さんかお母さんはいるかな?一緒に乗ってもらおっか?」
と聞いてみました。すると、
「来てないよ。あたしたちだけ。これで人力車に乗ってきなってお父さんに言われたの。」
これってどれやねんと思いつつ女の子の手を見るとなんと福沢諭吉が握られているではありませんか。
「お父さん、公演で忙しいから二人だけで遊んでろって。」
は?公園?それに年端も行かない女児に諭吉て、どないなっとんねん大都会東京、と混乱する一発屋。
さすがに小学生の女の子だけで人力車に乗るのはどうなんだろうと管理者に聞いてみたところ運転に配慮すればOKとのこと。
これによって小学生の女の子二人は正式に一発屋のお客さんとなりました。
お客さんが人力車に乗ると決まった時にあとはコースと時間を決める必要があるのですが、料金は時間によって異なり、最低10分からになっています。
まあ幼い子供に長めのコースをすすめるのもあれなので一番短いコースをすすめたのですが、
「これ全部使っていいから長いのがいい。」
と譲らない女児。
その諭吉は将来そんな簡単に手放せる代物やないんやで、と思いつつも意外と頑固で譲らない女児に結局一発屋は30分コース(一発屋がバイトしていた当時、二人で8000円)に乗ってもらうことにしました。
この女の子たちに限ったことではありませんが、人力車にお子さんを乗せると反応がいいので一発屋はお子さんを乗せるのが好きでした。
あとお子さんは軽いのでそれだけでありがたいというのもありました。
さきほどの『公演』ってなんだろうとずっと不思議に思っていた一発屋は女の子に聞いてみました。
「お父さんが公園(意味が分かってなかったので公園にいると思ってました)で忙しいって言ってたけどお父さんは何してるのかな?」
すると女の子、
「お芝居だよ。〇△□(演劇場の名前)ってところでやってるの。」
なんとその女の子たちは巡業で演劇場を回っている劇団(時代劇のです)の座長さんの娘さんたちだったのです。
浅草の至る処に演劇のポスターが貼られていてその界隈ではけっこう有名な方だったそうです。
なるほど幼い女児に諭吉を持たせるだけのことはありますわ。
諭吉に合点がいった一発屋はとりあえず何も考えず全力で楽しませることにしました。
観光客でごった返した街中ではスピードが出せないので、ちょっとルートを変えて広い道路で思いっきりスピードを出してあげたらキャーキャー言って喜んでくれました。
普段の観光ガイドは、年齢層とお客さんの反応に合わせて詳しい歴史を説明するか、ざっくりとした説明にするかギャグだけでいくかなどを考えて行います。
ですが、今回の女の子たちは8歳と9歳だったのでギャグメインのふわっとした説明でキャッキャ笑ってもらえました。
そんなこんなであっという間の30分が終了したわけですが、女の子たちはあまりにも楽しかったらしく、
「もうちょっと乗りたい!お兄ちゃんこれでもう少し乗れないかな?」
と余った二枚の漱石を差し出す女児。
実は二人で人力車に乗る時の最低料金が10分3000円なので漱石があと一人必要だったのですが、人力車には裏技があります。
これはやりたがる車夫は多くないのですが、観光ガイドなしで乗るだけ10分一人1000円(2017現在価格改定でまだあるかはわかりません。)というのがありました。
女の子たちの反応がとてもよくて一発屋も楽しかったのでこのコースで乗ってもらうことにしました。
内緒ですがもちろんガイドもしてあげて、時間もおまけしてあげました。
延長した十分間の人力車を楽しんだ女の子二人は最後に、
「ありがとうお兄ちゃん!また絶対乗りに来るからね!」
と元気良く帰っていきました。
大人の世界では社交辞令となってしまうこの言葉。
『今度とお化けは見たことない』なんて言われますが、実はこの話には後日談があります。
長くなってしまいましたのでその話は次回に持ち越しということで今回の記事はこれにて終了であります。('ω')ノ