若いうちはけっこうな激痛でも我慢しながらランニングを続けてしまったものですが、今考えるとゾッとするような無謀なことをしていたなと思います。
賢明なランナーの皆さんは決してマネしないでくださいね。(;^ω^)
さて、習慣的にランニングをされているランナーの皆さんは、おそらく何度かランニングによる体の痛みやケガを経験していることと思われます。
ランニング障害の中でも特に多いと言われているのが『膝の障害』で、これを予防・対策もケアもせずに放置してしまうと最悪日常動作にまで支障をきたしてしまう恐れがあります。
膝は『荷重関節』と言って、私たちの体にたくさんある関節の中でも特に体の重みがかかってくる関節です。
このため、普通に歩いているだけでも膝には体重の3倍から5倍の負荷がかかり、ランニング時の負荷は体重の5倍を超えると言われます。
そこで、今回の記事では月間500キロ~800キロを走破する私が実践している、ランニング時の膝の痛み・ケガを予防するためのおすすめの筋トレ方法・ストレッチ方法などをご紹介してみたいと思います。
スポンサーリンク
ランニング中の膝の痛み・ケガを予防する筋トレ方法
すでに書いたようにランニング時に膝にかかる負担は体重の5倍以上になると言われており、ランニングを安全に楽しむには膝の強化が必須と言っても過言ではありません。
そこで、私も実践しているランニング中の膝の痛み・ケガを予防するための筋トレ方法をいくつかご紹介してみます。
軸のブレ防止のための体幹の筋トレ
ランニング時に体の軸がブレているとどちらか一方の脚(または足)にばかり負担がかかり、荷重関節である膝のケガにつながりやすくなります。
直接膝を強化するための筋トレではありませんが、体幹を強化しておくことはスピードを含めたランニングのパフォーマンス全体を向上させることができるのでご紹介させていただきます。
パワーポジションスクワット
足を肩幅に開き、ゆっくりと腰を落としていき、太ももが地面と平行になる程度まで腰を落としたところで3秒キープ。
これを体力に合わせて5セット~10セット行いましょう。
なるべくは膝がつま先よりも前に出ないように腰を落としていきますが、慣れないうちはやや前傾姿勢で膝がつま先よりも前に出てしまってもかまいません。
慣れると筋肉もつきより強度を上げてできるようになるのでまずは焦らないようにやってみましょう。
バランスニーアップ
足を肩幅に広げ、片足を徐々に上げていき(出来れば)太ももが地面と平行になるぐらいまで上げ、3秒キープします。
太ももや腰の筋肉もそうですが、特にお腹の筋肉に力が入っていることを意識しながらやってみましょう。
これを左右の足で5セットずつやります。
インバーテッドハムストリングス
足を肩幅に開き、両腕を水平に上げていきます。
両腕を水平に上げた状態でアゴを引きながら体を前に倒し、徐々に片足を伸ばした状態で上げていきます。
できれば太ももが地面と平行になるぐらいまで足を上げ、その状態を10秒~30秒キープしましょう。
これを左右の足で行います(つまり1セット)。
スポンサーリンク
膝に関係する筋肉の筋トレ
ランニング時に膝が痛くなるランナーはみな同じ部位が痛くなるとは限りません。
人によって、膝の内側が痛かったり、膝の外側が痛かったり、お皿(膝蓋骨)まわりが痛くなるというように症状は様々です。
これはカラダのブレによって引き起こされることもありますが、基本的にはそれぞれの部位に対応した筋力や筋肉の柔軟性が不十分だったりすることが原因となります。
そこで、膝の痛み別に強化しておくといい筋肉のトレーニング方法をご紹介します。
大腿四頭筋の筋トレ方法
大腿四頭筋は膝のお皿(膝蓋骨)を覆う筋肉とつながっており、これを強化することによってお皿(膝蓋骨)まわりの痛み・ケガの予防につながります。
それでは大腿四頭筋の筋トレをいくつかご紹介します。
ニーエクステンション
読んで字のごとく『膝を伸ばす』筋トレになります。
膝から地面までの高さと同じくらいの高さのあるイス(座れるものであればなんでもOK)に座り、太ももを地面と平行にした状態でゆっくりと膝から下の脚を上げていきます。
この時、両手で太ももを支持して膝から下だけが動くようにしましょう。
膝から下が地面と平行になった状態で3秒キープします。
これを左右5セットずつ行いましょう。
ニーリングスクワット
つま先を立てた状態で地面に膝を付けます(芝生などの柔らかい場所でなければ、タオルやヨガマットなどを敷いて膝を保護しましょう。)。
この状態で太ももとオシリに力を入れてゆっくりと上体を起こしていきます。
これを10回×2セット行いましょう。
ハムストリングスの筋トレ
ランニング時の蹴りだしに重要な筋肉であるハムストリングは膝の裏に直結した筋肉で、これも筋力が不十分だったり、柔軟性が不十分であると膝裏の痛み・ケガにつながります。
特に日本人はハムストリングが発達しづらいと言われる人種ですので、積極的に強化をおこなうといよいでしょう。
レッグカール
仰向けに寝た状態で、両足を踏台(布団などを折りたたんだものでOK)に乗せます。
両腕は肩幅よりも少し開けて広げ、両手を地面につけた状態で肩と膝が一直線になるまで腰を上げていきます。
腰を上げ切った状態で3秒キープしましょう。
これを5セット行います。
スポンサーリンク
でん筋(群)の筋トレ
でん筋とはオシリの筋肉のことを意味します。
正確にはでん筋はたくさんの筋肉の集まり(でん筋群)で、これはランニング時の膝の障害の原因部位として特に多い『腸脛靭帯』と直結する筋肉になります。
でん筋(群)を強化することによって間接的に膝の外側の痛みやケガの予防につながります。
シェルエクササイズ
腰を伸ばした状態で横向きに寝てひじを地面について手で頭を押さえましょう。
この状態で膝を曲げ、かかとをつけた状態で膝を閉じたり開けたりを繰り返します。
これを左右で20回ずつ行います。
バックキック
腰と背筋を伸ばした状態で両手・両膝を地面につけて四つん這いになります。
この状態から、片足を後ろ側にゆっくりと蹴りだしていき、太ももが地面と平行になるまで上げていきます。
これを左右の足で10回ずつ行います。
スモウディープスクワット
脚を大きく開き背筋を伸ばした状態で腰を下ろしていき、腰を落としきったところで両足のつま先を両手でつかみ(ヤンキー座りのような状態です)、この状態を15秒~30秒程度キープしましょう。
慣れないとつらい姿勢ですが、かかとをしっかりと地面につけた状態でキープできるように頑張りましょう。
スポンサーリンク
ランニング中の膝痛・ケガ予防に効果的なストレッチ方法
膝の周りには多くの筋肉の腱などが集中しており、柔軟性を獲得してランニング中の痛みやケガを予防するためにストレッチをするというのが有効です。
そこで、ランニング中の膝の痛み・ケガ予防のためにおすすめのストレッチ方法をいくつかご紹介します。
大腿四頭筋のストレッチ
まず、膝に関係する筋肉の筋トレ方法のところでもご紹介した、大腿四頭筋のストレッチ方法をご紹介します。
動的クアッドストレッチ
背筋をまっすぐにした状態で、片足を膝を軸にして曲げていき足の甲を手で押さえながらかかとをおしりに押し付けるようにして3秒キープしましょう。
これにより大腿四頭筋が伸ばされ柔軟性がアップします。
これを左右の足で5セットずつ行います。
静的クアッドストレッチ
地面に座った状態で片脚の膝を折り曲げてかかとをおしりにつけます。
この状態から両手を体の後ろ側の地面につけ、ゆっくりと上体を後ろに傾けていきます。
大腿四頭筋の柔軟性が不十分なうちはあまり上体を後ろに傾けると筋肉を痛めてしまう可能性があるので、徐々に傾きを大きくしていくようにするといいでしょう。
上体を後ろに傾けた状態で30秒キープします。
これを左右の脚で行います。
スポンサーリンク
ハムストリングスのストレッチ
続いて、膝の裏に関係するハムストリングスのストレッチの方法をご紹介します。
ハムストリングスストレッチ1
まず背筋を伸ばした状態で足をつま先を前にして肩幅よりも少し大きく開き、両腕を地面と平行になるぐらいまで広げます。
この状態から状態をゆっくりと上体を落としていき、上体が地面と平行になるくらいまで落としたら3秒キープしましょう。
これを5セット行います。
ハムストリングスストレッチ2
仰向けに寝た状態で、片脚の膝を曲げた状態で上に挙げます。
この状態で太ももの裏側に両手をあて、膝をまっすぐに伸ばして、脚を上体に近づけていきます。
個人差がありますが、ちょっと太ももの裏に痛みを感じるくらいまで太ももを状態に近づけたらその状態で3秒キープしましょう。
これを左右の脚で5セットずつ行います。
でん筋(群)のストレッチ
最後に、膝のランニング障害最好発部位である腸脛靭帯と関係の深いでん筋群のストレッチ方法をご紹介します。
グルートストレッチ
片方の膝を曲げた状態で地面に座り、もう片方の膝を後ろに伸ばし、背筋を伸ばして上体をやや前傾にし、両手で地面を押さえて30秒キープします。
これを左右の足を入れ替えて行いましょう。
スポンサーリンク
ランナーにおすすめの膝痛・ケガ予防ケアグッズ
最後に膝の痛み・ケガを予防するランニンググッズをいくつかご紹介します。
CW-X パーツサポート ひざ用プレミアム
こちらは主にお皿回りのサポートのためのグッズになります。
私も、疲労がたまっている時は使用しているグッズですが、着地時の負担を減らし明らかにひざの負担軽減を実感できるアイテムだと思います。
スパッツタイプで履きやすく、丸めるとかさばらないので遠征などにももってこいです。
価格もお手頃ですのでおすすめのランニンググッズですね。
ソルボDo ニーサポーター
こちらは上記のサポーターよりもさらに構造がしっかりしており、より強く膝を支持することができるサポーターになります。
人工筋肉の『ソルボセイン』を使用し膝蓋骨を強力にサポートしてくれるアイテムとなっています。
少し厚手なので、夏場の使用はやや蒸れなどが気になりはしますが、その分強力に膝をサポートしてくれるので、トレイルランなどで起伏に富んだ地形をランニングされる方には特におすすめだと思われます。
|
まとめ
今回、ランニングには付き物のひざの痛み・ケガの予防のための筋トレ・ストレッチ・おすすめグッズをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
ご紹介したグッズはかなりの効果を発揮するので持っていて損はありません。
しかし、根本的なケガの予防にはならないので、グッズの使用と合わせて今回ご紹介した筋トレ方法・ストレッチを実践して、膝の痛み・ケガの予防につとめるというのがおすすめです。
それではみなさんの健康的で安全なランニングライフを祈願しつつ今回の記事は終了とさせていただきます。